皆さん、クラウドコンピューティングの世界へようこそ!本記事では、「100日間AWSクラウドプラクティショナーチャレンジ」と題して、初心者がゼロからAWSを学び、AWS認定クラウドプラクティショナー試験に合格できるような学習計画をご紹介します。理論解説とハンズオン(実践)を交え、クラウド未経験の方でも安心して取り組める内容になっています。SEOキーワードも意識しつつ、読みやすい構成にしていますので、ブックマークして学習のお供にしてください。それでは始めましょう!
クリックできる目次
なぜAWSを学ぶのか?(初心者にとってのAWSの魅力)
AWS(Amazon Web Services)は、世界中で最も広く使われているクラウドサービスプラットフォームです。近年、IT業界ではクラウドスキルの需要が急増しています。オンプレミス(自社サーバー)からクラウドへの移行が進み、クラウドを扱える人材が重宝されているのです。その中でもAWSはクラウド市場シェアの約3割を占めるリーダー企業で、多くの企業がAWS上でシステムやサービスを運用しています。
初心者にとってAWSを学ぶメリット:
- 基礎から学びやすい: AWSは入門者向けの資料やトレーニングが充実しています。無料利用枠(フリーティア)もあり、クレジットカードさえあればほぼ無料で色々試せます。自宅にサーバーを用意しなくても、AWS上で仮想サーバーを起動して学習できるのは大きな利点です。
- 実践的なスキル: AWSで学ぶ内容は、現場でそのまま役立つ知識です。例えば、ウェブサイトをホスティングしたり、データベースを構築したりといった実践的スキルが身につきます。クラウドの概念(サーバーのオンデマンド利用、スケーラビリティ、課金モデルなど)も理解でき、IT全般の素養が高まります。
- キャリアアップ・就職に有利: 日本でも「AWSを使える人材が欲しい」という企業は増えています。AWS認定資格(特にクラウドプラクティショナーのような基礎資格)を持っていると、クラウドの基本が分かっている証明になるため、就職や転職時のアピール材料になります。また、現在エンジニアでない方でも、AWSの基礎を知っているだけで社内のIT担当者とのコミュニケーションが円滑になるなどのメリットもあります。
- 今後の学習の土台: AWSはサービス数が非常に多彩ですが、基本的な考え方は他のクラウド(AzureやGCP)にも通じます。AWSでクラウドの基礎を習得すれば、マルチクラウドを扱う際にも応用が利きます。「クラウドは初めて」という初心者こそ、まずAWSでクラウドとは何かを掴むのがおすすめです。
要するに、AWSを学ぶことは“これからのITの共通基盤”を学ぶことに等しいです。最初は難しく感じるかもしれませんが、安心してください。本記事で案内する「100日チャレンジ」に沿って学べば、無理なくステップアップできます。それではまず、このチャレンジの中心となる認定資格「AWS認定クラウドプラクティショナー」とは何かを見てみましょう。
AWS認定クラウドプラクティショナーとは何か?
AWS認定クラウドプラクティショナー(AWS Certified Cloud Practitioner)は、AWSが提供する公式認定資格の一つで、最も入門者向けの基礎レベル資格です。クラウド未経験者や非エンジニア層でも取得しやすいよう設計されており、「AWSの広範な基礎知識」を持っていることを証明します。主なポイントを整理します。
- 位置づけ: AWS認定資格は難易度別に「基礎(クラウドプラクティショナー)→アソシエイト→プロフェッショナル」と分かれており、さらに専門知識(セキュリティや機械学習など)の認定もあります。その中でクラウドプラクティショナー試験は“入門・基礎”に位置づけられます。他のAWS資格(ソリューションアーキテクトなど)の前提条件ではありませんが、全体の土台としてまずこの資格から始める人が多いです。
- 対象者: IT初心者、クラウド初心者、またはエンジニアではないビジネス職の方(営業、マーケティング、経理など)でクラウドの基本を理解したい人に最適です。例えば、「普段エンジニアではないけれど、業務でクラウドという言葉を聞くし概要を知っておきたい」人や、「将来的にAWSの他の資格に挑戦するための足掛かりにしたい」人におすすめです。もちろん現役エンジニアでも、体系的にAWS全般をおさらいしたい場合に有益です。
- 試験範囲: クラウドプラクティショナー試験では、大きく以下の4分野の知識が問われます。
- クラウドの概念: クラウドとは何か、オンプレミスとの違い、クラウド利用のメリット(コスト効率、弾力性など)、AWSクラウドの価値 proposition(メリット)など。
- セキュリティとコンプライアンス: AWSのセキュリティモデル(共有責任モデル)、基本的なセキュリティサービス(IAMによるアクセス管理など)、暗号化や認証の基礎、AWSのコンプライアンスプログラム(PCI DSSやISO認証などにAWSが対応している話)など。
- テクノロジー(AWSサービス): AWSの主なサービスについて、その用途や特徴を理解すること。コンピュート(例: EC2、Lambda)、ストレージ(例: S3、EBS)、データベース(例: RDS、DynamoDB)、ネットワーキング(例: VPC、CloudFront)など各カテゴリの代表的サービスが出題されます。また、AWSのグローバルインフラ(リージョンやAZ)についての知識、シンプルなアーキテクチャ設計の理解も含まれます。
- 請求と料金、サポート: AWSの料金体系(オンデマンド課金、リザーブドインスタンスの割引、無料利用枠など)、コスト見積もりや管理ツール(AWS Pricing Calculator、Cost Explorer、AWS Budgets)、そしてAWSのサポートプラン(ベーシック、デベロッパー、ビジネス、エンタープライズの違い)について問われます。
- このように、技術的な深掘りよりは広く浅くAWS全体像を理解しているかが重要です。例えば、「EC2サーバーの起動方法の手順」そのものは問われませんが、「EC2とはどんなサービスで、どんな用途に使うか」は問われます。同様に、「S3でオブジェクトを公開する具体的設定」までは出ませんが、「S3はどんな特徴のストレージか(オブジェクトストレージで、冗長性が高い等)」は問われます。
- 試験形式: 試験は選択問題(多肢選択・複数選択)で行われます。問題数は65問、制限時間は90分です。全問に答えた後、合格か不合格かが判定されます(試験終了後すぐに画面に結果が表示されます)。合格基準は公表されていませんが、1000点満点中700点前後が合格ラインと言われています(おおよそ70%正答で合格イメージです)。問題文は比較的短めで、基礎用語の理解や簡単なシナリオ判断が中心です。
- 受験方法と費用: ピアソンVUEやPSIという試験サービス会社を通じて受験します。方法は2通りあり、1つはテストセンター(会場)に行って受験する方法、もう1つはオンライン監督試験(自宅などからカメラとマイク付きPCで受験)です。どちらも事前予約が必要です。受験料は100 USDで、日本では現在15,000円(税抜)となっています(為替やAWS側の設定で変動する可能性あり)。支払いはクレジットカード払い等です。試験は日本語でも受験可能ですので、英語に自信がない方は日本語試験を選択すると良いでしょう(申し込み時に言語選択できます)。なお、一度不合格でも再受験できますが、2回目以降は14日の間隔を空ける必要があります(受験料はその都度必要です)。
- 有効期限: 認定資格の有効期限は3年間です。合格日から3年後の月末まで有効で、それ以降も資格を保持したければ再受験または上位資格の取得が必要です。ただしクラウドプラクティショナーから次のステップに進む方も多いので、更新時期にはソリューションアーキテクトなど上位資格に挑戦する人もいます。
- 取得するメリット: クラウドプラクティショナー資格を持っていると、「クラウドの基本を理解している人」という客観的な証明になります。エンジニア職を目指す人はもちろん、例えば営業職でもこの資格を持っていれば「クラウドサービスの基礎知識がある」と評価されたりします。社内での部署間コミュニケーションでも役立つでしょう。また、AWSの他の認定試験に挑む際に、クラウドプラクティショナーで得た知識が土台として役立ちます。まさに「最初の一歩」にふさわしい資格なのです。
以上がAWS認定クラウドプラクティショナーの概要です。この資格を目標としつつ、100日間でじっくり学習していくのが本記事のチャレンジです。それでは次に、その「100日間チャレンジ」とは何かを説明し、そのメリットに触れます。
「100日間AWSクラウドプラクティショナーチャレンジ」とは?
100日間チャレンジとは、文字通り「100日間毎日継続してある取り組みを行う」習慣化プロジェクトです。プログラミング界隈で有名な#100DaysOfCode(100日間コードを書くチャレンジ)に触発され、クラウド学習でも#100DaysOfCloudというハッシュタグでコミュニティが存在しています。このチャレンジをAWSクラウドプラクティショナーの学習に応用しようというのが本記事の提案です。
では、なぜ100日間もかける必要があるのでしょうか?理由は以下の通りです。
- 習慣化による効果: 1日や2日集中的に勉強するよりも、100日間少しずつでも毎日勉強する方が、知識が定着しやすいと言われています。人間の記憶は繰り返しによって強化されるため、毎日クラウドに触れる習慣をつけることで「クラウドの考え方」が自然と身についてきます。「継続は力なり」ということわざがありますが、まさにそれを体現する方法です。
- 小分けで学ぶ安心感: AWSには非常に多くのサービスがあり、最初に全体を見渡すと「覚えることが多すぎる…」と不安になるかもしれません。100日間チャレンジでは、大きな学習目標を小さく分割します。例えば、「今日はAWSのアカウント登録だけ」「明日はEC2とは何かを理解する」など、一日一日のタスクは負担の少ない内容にします。一歩ずつ進めることで、気づけば100日後には膨大な知識を習得できているという仕組みです。
- モチベーション維持: 人間はどうしても途中でサボりたくなるものですが、「今日はDay 30だからやらなきゃ!」「もう半分まで来たから頑張ろう!」という風に、区切りと数値がモチベーションになります。さらに、可能であればTwitterなどSNSで「#100DaysOfCloud」を付けて毎日の学習内容を発信してみましょう。例えフォロワーが少なくても、「誰かに報告する」と決めることでサボりにくくなりますし、同じチャレンジをしている仲間から刺激を受けることもあります。日本語でも「#100DaysOfCloudjp」などでつぶやいている方がいます。
- 柔軟性も確保: 100日間連続で…と言いましたが、もちろん仕事や家庭の都合で毎日できない日もあるでしょう。大事なのは、トータル100日分の学習をやり遂げることです。途中で1日休んでしまっても、翌日に2日分やる、あるいは101日目にずれ込んでも構いません。要は諦めずに続けることが肝心です。プレッシャーを感じすぎず、自分のペースで調整しながら進めてください。
- 試験対策にちょうど良い: 3ヶ月ちょっと(約14週間)という期間は、クラウドプラクティショナー試験の対策期間としても適切です。一気に詰め込んで短期合格する人もいますが、仕事をしながら・学校に通いながらだと無理があります。100日あれば、平日は1時間、週末は2〜3時間といったペースでも十分範囲を網羅できます。また、じっくり学ぶことで単なる試験知識でなく実践力も伴ってきます。
以上のように、100日間AWS学習チャレンジは「楽しみながら着実に力をつける」方法なのです。では具体的に、どのように準備を始めればいいでしょうか?次のセクションでは、学習前に用意しておくべき環境(AWS無料利用枠の利用など)や、おすすめの学習リソース(教材)を紹介します。
学習準備: AWS無料利用枠の活用と教材の準備
100日間チャレンジを効果的に進めるには、学習環境と教材を整えることが大事です。まずは実践の場となるAWS環境を準備し、その後に学習を助けてくれる様々なリソースを見ていきましょう。
AWSアカウント作成と無料利用枠の活用
ハンズオン(実践)なくしてクラウド理解なし!というくらい、実際にAWSを触ってみることは重要です。幸いAWSには無料利用枠(フリーティア)が用意されており、新規アカウント登録から12ヶ月間、主要なサービスを無料または非常に低コストで使うことができます。まずはAWSアカウントを作成し、無料利用枠を活用するところから始めましょう。
- AWSアカウント作成: AWS公式サイト(aws.amazon.com/jp/)にアクセスし、「アカウントを作成」ボタンから登録を行います。登録時にメールアドレス、パスワード、住所氏名などを入力し、クレジットカード情報も登録します。※クレジットカードは本人確認と課金手段のために必要ですが、無料枠内の利用であれば課金されません(念のため、後述の予防策も設定しましょう)。登録途中で電話/SMSによる認証もあります。アカウント種別は個人利用であれば「パーソナル」を選択しましょう。
- サポートプラン選択: アカウント登録の最後にサポートプランを選ぶ画面があります。ここでは「ベーシックサポート(無料)」を選択してください(デフォルトで選ばれているはず)。開発者や企業向けの有料サポートプランもありますが、学習目的では無料で十分です。
- AWSマネジメントコンソールへ: 登録が完了すると、AWSマネジメントコンソールにログインできるようになります。コンソールとは、ブラウザ上でAWSの全サービスを操作・管理できる管理画面のことです。初めてコンソールに入ると色々なサービス名が並んでいて驚くかもしれませんが、徐々に慣れていきましょう。
- 無料利用枠(フリーティア)の概要: 新規アカウントの場合、12ヶ月間有効な無料利用枠があります。具体的には、例えば以下のような無料枠があります(一部抜粋):
- Amazon EC2(仮想サーバー):月750時間分のt2.microまたはt3.microインスタンス利用(LinuxまたはWindows)。750時間は約31日なので、1台のサーバーを1年間ずっと動かしても無料になります。
- Amazon S3(オブジェクトストレージ):5GB分の標準ストレージ、20,000件のGETリクエスト、2,000件のPUTリクエストなど。
- Amazon RDS(リレーショナルデータベース):月750時間分のdb.t2.micro利用(MySQL, PostgreSQL等)、20GBのストレージ容量など。
- AWS Lambda(サーバーレス関数実行):毎月100万リクエスト、計算時間は月40万GB秒まで無料(常時無料枠)。
- Amazon DynamoDB(NoSQLデータベース):毎月25GBのストレージ、一定量の読み書きキャパシティ(最大毎秒25読み/25書き相当)が無料(常時無料枠)。
- 上記以外にも多数のサービスに無料枠があります。ポイントは、ほとんどの初歩的な学習で使う分には十分な枠が用意されているということです。例えば、EC2サーバーを1台起動して練習する、S3にファイルをいくつか置いてみる、RDSで小さなデータベースを作ってみる…といったことは無料でできます。クラウドプラクティショナー勉強中に無料枠を大きく超える利用をすることは考えにくいですが、念のため以下の点にも注意しましょう。
- コスト管理のコツ: AWSは基本的に使った分だけ後払いする従量課金ですが、無料枠を超えると料金が発生します。そこで、まず「AWS Budgets」という機能で予算アラートを設定しておきましょう。例えば「月額利用額が0円を超えたらメール通知」と設定すれば、万一無料枠外の料金が発生した場合すぐ気づけます。
- AWS Budgetsの設定は、コンソールで「請求ダッシュボード」→「予算」から行えます。非常に細かく条件設定できますが、シンプルに「0円超えたら通知」でもOKです。
- また、AWS Cost Explorerを使えば現在までの累計料金をグラフで確認できます。これも請求ダッシュボードから利用できます。学習中は基本0円推移だと思いますが、安心のため月1回くらいチェックすると良いでしょう。
- リソースの停止/削除を習慣に: 無料枠内とはいえ、使いっぱなしは避けるのがベターです。例えばEC2インスタンスを起動したら、学習後には停止または終了(terminate)しましょう。RDSも必要ないときは削除します。S3も不要ファイルは削除しておくとすっきりします。「作ったら消す」までが一連の練習だと思っておくと、料金トラブルやリソース管理ミスが防げます。
以上でAWS環境の準備はOKです。クレジットカードが必要なのが若干ハードルですが、デビットカードや一部プリペイドカードでも通る場合があります。学生でカードが難しい方は、学校のAWS Educateやクレジットカード不要の学習環境(将来の話ですがAWS Cloud Questなど)も検討してください。ただ、多くの場合は無料枠を使うのが一番実践的です。
では次に、学習教材やリソースについてです。効率よく学ぶには、良質な教材に沿って進めるのが近道です。
AWS学習のおすすめリソースと教材
AWSクラウドプラクティショナーの学習では、以下のようなリソースを組み合わせて使うと効果的です。それぞれ特徴があるので、自分に合いそうなものを選んでみてください。
- 公式トレーニングコース(AWSクラウドプラクティショナーエッセンシャル): AWS公式が提供している無料のデジタルトレーニングコースがあります。日本語版もあり、その名も「AWS クラウドプラクティショナーエッセンシャル(基礎)」というコースです。ウェブ上でオンデマンド動画講義を視聴でき、クラウドプラクティショナー試験の範囲に沿って分かりやすく解説してくれます。所要時間は数時間程度ですが、初心者でも理解しやすい内容です。まずこの公式コースに取り組むことで、大まかな全体像を掴むことをおすすめします。AWS Skill Builder(旧称: AWS Training and Certificationサイト)から無料で受講できます。
- Udemyなどのオンライン講座: 独学が不安な方や、まとまった解説が欲しい方にはオンライン学習プラットフォームの講座も人気です。特にUdemyにはAWS認定試験向けの講座が多数あります。例えば、Stephane Maarek氏やNeal Davis氏による英語講座は全世界で評価が高く、図解やデモを交えながら試験範囲を網羅しています。また、日本語で学びたい方向けに、日本人講師や日本語吹き替え/字幕付きの講座もあります(「クラウドプラクティショナー Udemy 日本語」などで検索)。Udemy講座は動画なのでスキマ時間に視聴しやすく、繰り返し再生も可能です。セール時に購入すれば比較的安価で、一度買えば何度でも見返せます。動画学習派の方はぜひ利用してみてください。
- 書籍(試験対策本・参考書): じっくり文章で学ぶのが好きな方には、書籍がおすすめです。AWS認定資格向けの書籍は多く出版されており、クラウドプラクティショナー用のものもいくつかあります。定番としては、
- 『AWS認定資格試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー』(インプレス) – 通称「緑本」。試験範囲を体系立てて解説した公式寄りの教科書です。イラストや表が豊富で初心者にも読みやすいと評判です。
- 『徹底攻略 AWS認定クラウドプラクティショナー教科書 第2版』(インプレス) – 解説と章末問題が充実した対策本です。
- ‘AWS Certified Cloud Practitioner Study Guide (English book by AWS Press)’ – 英語ですが、Wiley社から公式ガイドブックが出ており、500問の練習問題も付属しています。英語の勉強も兼ねたい方にはこれも良いでしょう。
- 本の良いところは腰を据えて学習できる点です。マーカーを引いたり、メモを書き込んだりして自分なりのノートを作れます。また、章末問題で理解度チェックできる本も多いので、知識の定着に役立ちます。独学ですが、本に沿って進めればカリキュラム迷子になることもありません。
- 模擬試験・練習問題集: 合格の決め手となるのが模擬試験問題です。本番形式の問題に事前に慣れておくと、試験当日の緊張も和らぎますし、効率よく得点する感覚が掴めます。おすすめの模擬試験リソースを紹介します。
- AWS公式模擬試験: AWSが提供する有料模擬試験(約2,000円)があります。問題数は少なめですが公式品質なので一度試しても良いでしょう。
- Udemyの模擬試験コース: Udemy上には模擬試験だけを集めたコースがあります。例えばStephane Maarek氏の模擬試験集(日本語翻訳付き有)や、Jon Bonso氏(Tutorials Dojo)の模擬試験集が人気です。6回分(390問)セットなどボリュームがあり、解説も詳しいです。
- Webサービス系: Tutorials Dojo(日本語版も一部あり)はクラウド関連の良問を提供するサイトです。他にWhizlabsやKaplan(日本だとWeb問題集「Ping-t」なども昔からあります)もあります。日本の有志がQiitaやブログで公開している問題集も散見されますが、質にばらつきがあるので信頼できるソースを使いましょう。
- 模擬試験は自分の弱点発見に非常に役立ちます。例えば解いてみて間違えた問題がIAM絡みばかりなら、「IAMを復習しよう」となりますし、時間配分の練習にもなります。だいたい合格ライン+α(80%以上正解)を模試で取れるようになれば、本番も安心です。
- AWS公式ドキュメント・ホワイトペーパー: 調べものをするときの最終兵器が公式ドキュメントです。AWS公式サイトには各サービスの説明や使い方が詳細に書かれています。また試験範囲に関連するホワイトペーパー(技術文書)も公開されています。例えば「AWS Well-Architected フレームワーク概要」や「AWSクラウドの概要」といった資料です。これらは情報量が多いので、特定のトピックでもっと詳しく知りたいときに読むのが良いでしょう。英語版が最新ですが、日本語翻訳版もAWS公式から提供されています。クラウドプラクティショナーではホワイトペーパーから直に出題されることは稀ですが、目を通しておくと理解が深まります。
- コミュニティ・Q&Aサイト: 学習中に疑問点が出てきたら、他の人の質問や解答を参考にするのも手です。
- スタック・オーバーフロー(Stack Overflow): 技術者向けQ&Aサイト。英語主体ですが、AWS関連のQ&Aも豊富です。「AWS Cloud Practitioner what is region」とか具体的にググるとStack Overflowのページがヒットしたりします。
- AWS re:Post(リー:ポスト): AWS公式のQ&Aフォーラムです。日本語で質問できるカテゴリもあります。AWSの有識者や社員が回答してくれることもあります。ちょっとマニアックな疑問もここで解決できるでしょう。
- RedditやSNS: 英語になりますが、Redditのr/AWSCertificationsやTwitterの#AWSタグでは、受験者の体験談やアドバイスが共有されています。「Cloud Practitionerに合格したけど質問ある?」的な投稿もあり、勉強法の参考になることがあります。
- 日本語コミュニティ: 日本語ならJAWS-UG(Japan AWS Users Group)というAWSユーザーコミュニティがあり、各地域で勉強会やオンラインイベントを開催しています。また技術記事共有サイトのQiitaやZennにも、合格体験記や勉強法記事が投稿されています。「クラウドプラクティショナー 勉強法」「AWS 資格 合格 体験談」などで検索するとヒットするので読んでみると刺激になります。
以上のリソースを駆使すれば、独学でもしっかりと実力をつけることができます。重要なのは、「一冊の本でも一講座でも良いので、軸となる教材を決めて、補助的に他のリソースを組み合わせる」ことです。あれこれ手を出しすぎると消化不良になります。例えば、
- 最初に「公式エッセンシャル講座」で概要を掴む。
- 次にUdemy講座 or 本で詳細を学ぶ(どちらか自分に合う方)。
- 途中でドキュメントやホワイトペーパーも参照し、サービスの公式説明にも触れる。
- 範囲を一通り学んだら模擬試験で腕試しし、弱点を補強。
- 不明点は都度調べたり質問サイトで解決。
こうしたサイクルが理想です。では、いよいよ100日間の具体的な学習プランを見ていきましょう。次章では、1日目から100日目までをいくつかのフェーズに分けて、学ぶ内容と目標を提示します。
100日間学習ロードマップ: 学習計画とフェーズ概要
それでは、100日間の学習ロードマップを提案します。これは一例ですが、順序よく効率的に学べるよう構成しています。ご自身のペースや興味に合わせて調整しながら進めてください。
1〜20日目: クラウドの基礎とAWS概要に慣れる
学習テーマ: 「クラウドとは?AWSって何ができるの?」 を明らかにする。
- クラウドコンピューティングの基本: まずはクラウドという概念の基礎から始めましょう。オンプレミス(自社運用)との違いや、クラウド利用の利点を整理します。例えば「初期投資が不要」「必要なときに必要な分だけリソースを使える(弾力性)」などのメリットがあります。IaaS/PaaS/SaaSといったサービスモデルの違いも押さえます(AWSは主にIaaSだがマネージドサービスはPaaS的な側面も持つ)。
- AWSの全体像: AWSが提供しているサービスカテゴリをざっと眺めます。コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーク、セキュリティ、分析、機械学習…と非常に幅広いですが、この段階では「AWSにはこんな分野もあるんだな」と知る程度でOKです。具体的なサービス名もいくつか目にするでしょうが、詳細は後から学ぶので安心してください。この全体マップを最初に見ることで、今後学ぶ各トピックがどこに位置するか理解しやすくなります。
- AWSグローバルインフラストラクチャ: AWSは世界中にデータセンターを持っています。この構成を理解しましょう。リージョン(地域)とは物理的に離れたデータセンターの集まりで、例: 東京リージョン(ap-northeast-1)、オレゴンリージョン(us-west-2)などがあります。アベイラビリティーゾーン(AZ)とは各リージョン内に複数存在する個別のデータセンター群のことです。例えば東京リージョンには3つのAZがあります。クラウドプラクティショナー試験では、このリージョン/AZの概念は頻出です。またエッジロケーション(CloudFrontのキャッシュ地点)も登場します。これらは後のサービス学習でも繰り返し出てきます。
- AWSアカウントとコンソール操作に慣れる: 既にAWSアカウントは作成済みとしますが、実際にコンソールを触りながら基本操作に慣れましょう。サービス一覧から目的のサービスを探す練習、リージョンを切り替える練習(画面右上でリージョンを変更できます)、課金情報の見方(右上のアカウント名メニューから「請求情報」)など、一通り目にしておくと良いです。初めての方は日本語コンソールに切り替えてもOKですが、英語表記のほうが検索もしやすく情報量も多いので、可能なら英語に慣れておくと後々有利です。
- Day 1〜5の例: クラウド概念・AWS概要をインプットする。公式エッセンシャル講座の冒頭モジュール(クラウドとは何か、AWS紹介)を視聴。学習ガイド本があれば第1章あたりを読む。
- Day 6〜10の例: AWSグローバルインフラやリージョン/AZの話を理解する。各リージョンの違い(国内向けには東京リージョンがある、北米には複数リージョンがある等)を把握。AWSコンソールで東京リージョンとオレゴンリージョンなど切り替えてみて、サービスがリージョンごとに管理されることを体感。
- Day 11〜15の例: AWSの主要カテゴリ一覧を見て主要サービス名に目を通す。例えばEC2、S3、RDS、VPC等の名前を認識。サービス名とアイコンを見て、「これは計算資源ぽいな」「これはデータベースかな」と想像してみる。まだ詳細知らなくてOK。
- Day 16〜20の例: 初歩的なハンズオン: IAMユーザーを作成してみる(後に詳しく学ぶが、とりあえずルートユーザーではなくIAMユーザーでログインする練習)。もしくはS3バケットを一つ作り消してみる(次のフェーズでS3学習しますが、先取り体験として)。コンソールの基本操作(作成→確認→削除)サイクルに慣れる。
このフェーズのゴール: クラウドとAWSの土台となる概念に抵抗がなくなること。「クラウド=インターネット経由でITリソースを提供するモデル」という説明ができ、リージョン/AZの役割やAWSの規模感(サービスの豊富さ)を掴めていればOKです。最初の20日間で、専門用語が少し頭に入ってきてワクワク感が出てくるでしょう。「なんとなくAWSの全体図が分かってきたぞ」と思えれば順調です。
21〜40日目: AWS主要サービス (計算・ストレージ・データベース・ネットワーク) を習得
学習テーマ: AWSのコアサービスについて、それぞれの基本機能と用途を理解する。クラウドプラクティショナー試験の中核部分です。
- コンピューティング(EC2と仲間たち): まずはAWSの代表格であるAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)から学びましょう。EC2はAWS版の仮想サーバーです。以下のポイントを押さえます:
- EC2インスタンス = 仮想マシン(CPUやメモリなどのリソースを割り当てて起動するサーバー)。
- インスタンスタイプ = インスタンスのサイズ/性能(t2.microなど)。無料枠ではt2.microが使えますね。
- AMI = Amazon Machine Image。インスタンスのOSやソフトウェアのひな形。UbuntuやAmazon Linux、Windows等のイメージがあります。
- EC2の料金 = 基本は起動時間あたりの従量課金。停止すれば課金止まる(ただしEBS料金は別途)。
- スケーリング = EC2インスタンスは必要に応じて数を増減できる。オートスケーリング機能で需要に合わせ自動で台数調整する。
- Elastic Load Balancing(ELB) = EC2等へのトラフィックを負荷分散するサービス。可用性向上に必須。
- EC2を理解したら、AWS Lambdaにも触れましょう。Lambdaは「サーバーレス」と呼ばれるサービスで、サーバーを意識せずにコード実行をできるプラットフォームです。例えば「画像がS3にアップロードされたら、それをリサイズするコードを自動実行」なんてことができます。クラウドプラクティショナーではLambdaの詳細な使い方までは出ませんが、「サーバーレス=イベント駆動で自動スケーリングするコード実行環境」くらいは理解しておくと良いです。
さらに、コンテナ技術についても簡単に知っておきましょう。AWSではECS(Elastic Container Service)やEKS(Elastic Kubernetes Service)というサービスでDockerコンテナのオーケストレーションを提供します。試験では「ECSは何に使うサービス?」程度の基本が出る可能性があります。コンテナ=軽量な仮想化手段でアプリ実行パッケージ、ECS/EKS=コンテナを大量にデプロイ・管理するためのサービス、と認識しておけば十分です。 - ストレージサービス: 次にAWSのストレージサービスを学びます。Amazon S3(Simple Storage Service)は超重要です。ポイント:
- S3はオブジェクトストレージ。ファイル(オブジェクト)をバケットという容器に入れて保存する。
- スケーラブルで高耐久(「耐久性99.999999999%」=データ消失ほぼしない)。
- デフォルトではプライベートアクセス。バケットポリシーやACLでアクセス制御可能。2019年以降新バケットはすべてパブリックアクセスブロックが有効(つまり間違えて公開しないよう初期設定でブロックされている)。
- 用途: 静的ウェブホスティングも可能、データバックアップ、ビッグデータ解析基盤のストレージなど用途多数。
- バージョニングやライフサイクル管理など高度な機能もあるが試験では触り程度。
- 続いてAmazon EBS(Elastic Block Store)。これはEC2にアタッチして使うブロックストレージ(ハードディスクのようなもの)です。
- EBSボリューム = EC2のCドライブみたいな役割。
- 種類: SSD汎用gp3、プロビジョンドIOPSio2、HDDスループット最適とか。そこまで細かく覚えなくてOKですがSSDとHDDの2種あると知るくらい。
- スナップショット = ボリュームのバックアップ機能(S3に保存される)。
- 耐障害性: EBSは同じAZ内で冗長化されてるがAZが落ちるとダメなので、マルチAZにはならない(→RDSは内部的にマルチAZミラーリングでこれを補う)。
- Amazon EFS(Elastic File System)はAWSの共有ファイルストレージ。複数のEC2から同時にマウントできるNASのようなサービスです。Linux対応、容量自動拡張。試験ではEFSは「複数サーバーで共有可能なファイルシステム」として選択肢に出ることがあります。
Amazon Glacier(現ブランド: S3 Glacier)はS3のアーカイブストレージクラスです。長期保管用で安価だけど取り出しに時間がかかるストレージと覚えましょう。 - データベースサービス: AWSのデータベースも2種類に大別されます。
- リレーショナルデータベース(RDB): Amazon RDSが代表例。AWS管理のデータベースサービスで、MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle、SQL Server、そしてAWSオリジナルのAuroraが使えます。自動バックアップ、マルチAZ配置による高可用性オプションなど便利機能あり。クエリ言語はSQLです。試験で問われるのは例えば「リレーショナルデータベースにはどのサービス?」=RDS となるようなパターン。
- NoSQLデータベース: Amazon DynamoDB。キーバリュー型のNoSQLデータベースで、フルマネージドかつサーバーレス。スケーラブルで、高速な読み書き性能が特徴。スキーマレスなので柔軟ですが、RDBのような複雑なクエリは苦手。
- データウェアハウス: Amazon Redshiftは大規模データ分析用の列指向データベース。クラウドプラクティショナーでは名前を知る程度でOK。
- その他: Amazon AuroraはRDSの一種ですが性能強化版。ElastiCacheはインメモリデータベース(Redis/Memcached)で高速キャッシュ用途など。
- RDSとDynamoDBの違いをしっかり押さえてください。シナリオ問題で「スキーマが固定されておらず、大量データをミリ秒単位で処理するDBが必要」とか出たらDynamoDBですし、「複雑なSQLクエリやトランザクション処理を使いたい」と出たらRDSです。
- ネットワーキング & コンテンツ配信: AWSを支えるネットワークサービスにも触れておきましょう。
- Amazon VPC(Virtual Private Cloud): AWS上に作る仮想ネットワーク空間です。各AWSアカウントにはデフォルトVPCがあります。VPC内にサブネット(ネットワークの小区画)を作り、EC2等のリソースはサブネットに配置されます。インターネットゲートウェイを付ければ外部と通信可、ルートテーブルで通信経路設定、NATゲートウェイでプライベートサブネットから外部アクセス、など概念的に学びます。試験では「VPCとは何か?」といった初歩を理解していれば十分ですが、AWSらしい仮想ネットワークの柔軟性は理解しておくと役立ちます。
- セキュリティグループ: 仮想ファイアウォールで、インスタンスやリソース単位で適用。インバウンド/アウトバウンド通信許可ルールを設定します。ステートフル(返信トラフィックは自動許可)など特徴あり。NACL(ネットワークACL)はサブネット単位のステートレスなファイアウォールです(こちらは詳細知らなくても可、名前と基本的役割程度)。
- Amazon CloudFront: AWSのCDNサービスです。世界各地のエッジロケーションでコンテンツをキャッシュし、ユーザーに高速配信します。静的コンテンツ(画像や動画)配信で遅延を減らすのによく使われます。CloudFrontを理解するには、S3と組み合わせて「S3上の静的サイトをCloudFrontでグローバル配信すると速い」といった例に触れるとイメージしやすいです。試験でもCloudFrontのユースケースを問われることがあります。
- Amazon Route 53: マネージドDNSサービスです。ドメイン名をIPに解決するほか、ヘルスチェック機能やラウティングポリシー(地域別振り分けなど)も提供します。名前の由来はDNSのポート番号53です。問題例: 「独自ドメインを取得し、可用性の高いDNS管理を行いたい。どのサービスを使うべき?」→ Route 53。
- AWS Direct Connect / VPN: 企業がAWSとオンプレを専用線接続したり、インターネットVPNで繋ぐサービスです。クラウドプラクティショナーではあまり細かく出ませんが、ハイブリッドクラウド構成ができると知っておくと良いです。
- 21〜30日目の例: EC2と基本コンピューティングサービスの学習。EC2を起動・接続するハンズオンを実施(例えばLinuxインスタンスを立ち上げてみる)。キーペアのダウンロードとSSH接続を試す(難しければEC2 Instance Connectを使用)。EC2インスタンスにタグを付けたり、モニタリングタブを見てCloudWatchメトリクスを確認。
- 31〜35日目の例: S3ハンズオン。S3バケットを作成し、簡単なHTMLファイルをアップロードしてみる。オブジェクトURLにアクセスしてアクセス拒否を確認(デフォルトは非公開なので403 Forbiddenになります)。その後、正規の方法でバケットポリシーを設定し公開してみる(ブロックパブリックアクセスをOFF -> バケットポリシー設定)。簡易な静的サイトホスティングも試せればベスト。
- 36〜40日目の例: RDSハンズオン。RDSで無料枠のMySQLインスタンスを作成(作成ウィザードを眺め、途中でキャンセル可能)。もしくは実際に作成し、試験的に接続(MySQLクライアントなど必要ですが、難しければコンソール上でエンドポイント確認だけでも)。DynamoDBテーブルもコンソールで作成し、項目をPutItemで追加・取得してみる。
ネットワーク系では、VPCウィザード(現在は手動設定が主流なので無いかも?)を確認し、デフォルトVPCの構成(メインルートテーブルやNACL設定)を覗いてみる。Security Groupを編集してポート開放してみる体験(例えば自分のIPからのみ許可設定など)。
このフェーズのゴール: AWSの主要サービスの用途と特徴を説明できること。例えば、「EC2は何のサービス?」「S3とEBSの違いは?」「RDSのメリットは?」「DynamoDBはどういうとき使う?」などの問いに自分なりに答えられる状態です。ここは試験の核なので、ある程度しっかり時間を取って理解する必要があります。ハンズオンも交えてイメージを具体化することで、単なる暗記ではない理解が進みます。40日目までに結構な量を学びましたが、焦らず着実に進めば確実に力がついています。
41〜60日目: AWSのセキュリティと監視サービスを学ぶ
学習テーマ: クラウドにおけるセキュリティとガバナンスの基本、およびAWSの運用管理サービスを理解する。
- 共有責任モデル: AWSのセキュリティの考え方で最も重要なShared Responsibility Model(共有責任モデル)をマスターしましょう。これは、「AWSはクラウドそのもののセキュリティを保証し、利用者はクラウド内での設定やデータのセキュリティを保証する」という役割分担です。例えば、AWSはデータセンターの物理的な安全性やホストOSのパッチ適用を担いますが、皆さん利用者は自分のEC2インスタンスのOS更新やファイアウォール設定、S3に保存するデータの暗号化設定などを担います。この境界を具体例で押さえてください。試験では「以下のどれが利用者の責任か?」のような問題が定番です。
- IAM (Identity and Access Management): AWSの認証・認可を司るサービスです。IAMユーザー、グループ、ロール、ポリシーといった概念をしっかり理解します。
- IAMユーザー: 人やアプリに割り当てるAWSアカウント内のユーザー。各自固有のアクセスキー(API用)やパスワード(コンソール用)を持てます。
- IAMグループ: 複数ユーザーをまとめ、共通の権限ポリシーを付与する単位。例えば「Admins」グループに管理者権限を付け、そのグループにAliceとBobを所属させる。
- IAMポリシー: JSON形式の権限定義。どのサービスの何の操作を許可/拒否するか記述。AWS管理ポリシー(既成テンプレ)も多く提供されている。
- IAMロール: AWSサービスや外部ユーザーに一時的な権限を付与するための仕組み。ロールにはポリシーを付与でき、EC2にロールを与えると、そのEC2上のアプリはアクセスキー無しでS3など他サービスを操作できます(EC2自体がロールを肩代わりする)。
- MFA(多要素認証): IAMユーザーやルートアカウントにMFAデバイス(スマホアプリなど)を紐づけてログイン時に追加コード認証する。セキュリティ強化策。
- IAMはクラウドプラクティショナーでも重要項目です。例えば問題で「最小権限の原則に従うにはどうすべきか?」→必要な権限のみを与えるカスタムポリシーを作成するといった答えになります。ルートユーザー(アカウント作成時のメールアドレスのユーザー)は最強権限なので、通常利用しないことやMFA必須などのベストプラクティスも覚えておきましょう。
- AWSの主なセキュリティサービス:
- AWS KMS (Key Management Service): 暗号鍵の作成・管理サービスです。S3やEBS、RDS等と連携してデータを暗号化できます。クラウドプラクティショナーでは「KMS=暗号化用の鍵管理」と理解していればOK。
- Amazon GuardDuty: AIを用いた脅威検出サービス。ログ(CloudTrailやVPCフローログ、DNSログ)を解析して、不審な動きをアラートします。例: いつもと違うIPからルートユーザー操作があった等。セキュリティの侵害兆候を検知するサービスと覚えましょう。
- AWS Config: リソースの設定変更トラッキングと、設定ルール違反を検出するサービス。例: S3バケットがPublicになっていないか監視など。
- AWS CloudTrail: 前述の通り、アカウント内の全APIコールをログに記録する監査サービス。誰がどのサービスにいつ何をしたか証跡が残ります。ほぼ全サービスに関係しますので重要。
- AWS Artifact: AWSのコンプライアンス関連ドキュメントを閲覧できるサービス。ISO認証の証明書などがダウンロード可能。試験対策的には名前だけ。
- AWS WAF & AWS Shield: Webアプリケーションファイアウォール(WAF)とDDoS保護サービス(Shield)です。WAFはHTTP(S)リクエストを検査して悪意あるアクセスをブロック(SQLインジェクション防止など)、Shieldは標準で全AWSユーザーにBasic版適用されておりL3/L4のDDoS緩和をしてくれます(有料Advancedもあり)。
- クラウドプラクティショナーでは上記サービスの詳細設定までは不要ですが、「何をするサービスか」を理解しましょう。選択肢問題でGuardDutyやWAFが紛れ込んできても対応できるようにします。
- クラウド監視と運用管理:
- Amazon CloudWatch: AWSのモニタリングサービス。EC2のCPU使用率、RDSの容量使用量、カスタムメトリクス等、様々なメトリクスを収集・表示します。CloudWatchアラームを設定すれば閾値超過時に通知や自動アクション(例えばオートスケール)も可能。さらにCloudWatchにはログ機能(CloudWatch Logs)もあり、EC2のアプリログやLambdaのログ出力などを集約できます。
- AWS CloudFormation: コード(テンプレート)でAWSリソース構築を自動化するサービス。スタック(stack)という単位でテンプレート記述通りにリソースが作成されます。「Infrastructure as Code(IaC)」の代表例です。クラウドプラクティショナーでは、インフラの自動プロビジョニング手法として名前を知っておく程度で十分でしょう。
- AWS Trusted Advisor: AWSのベストプラクティスチェックツール。コスト最適化、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス、運用の5カテゴリでアドバイスを出してくれます。例えば「未使用のEC2があります」「公開されているS3バケットがあります」「Reserved Instanceを使うと安くなりますよ」など。Basicサポートだと一部セキュリティチェックのみ無料で使えます。試験では「セキュリティやコストの改善提案をしてくれるサービスは?」→Trusted Advisorです。
- AWS Systems Manager: 複数のEC2やオンプレサーバーを一元管理し、パッチ適用やコマンド実行、パラメータ管理などができるサービス。SAAレベル向けですが、Parameter Storeやセッションマネージャー(SSH不要でEC2接続できる)など便利機能があります。知っておくと役立つので簡単にでも概要を見ると良いでしょう。
- AWSの認定とコンプライアンス: AWSはSOC, ISO, PCIなど様々な国際認証を取得しています。利用者はAWS Artifactからそれらレポートを確認し、自社のコンプライアンス要求にAWSが対応しているか証明できます。また、コンプライアンス共有モデルといって、AWSがハードは守る、ユーザーは自分のアプリ設定が基準満たすよう努めるといった考え方もあります(例えばHIPAA適用するならS3の設定を暗号化必須にするとか)。クラウドプラクティショナーではあまり深掘りされませんが、「AWSはクラウドの下地として多くの認証を取得しており、ユーザーはサービスを正しく使うことで自社としての準拠を達成できる」というニュアンスを理解しましょう。
- 41〜50日目の例: IAM入門&実践。AWS公式IAM入門ガイドや権限関連の動画を見る。実際にIAMユーザーを作成し、制限付きポリシーを付与してみる(例: S3読み取り専用ユーザー)。コンソールでそのユーザーにログインし、許可された操作・拒否される操作を確かめる。ルートユーザーにMFAを設定する。
- 51〜55日目の例: セキュリティサービス理解。GuardDutyやWAFのコンソール画面を開いてどんな設定項目があるか見る。可能ならGuardDutyを有効化(30日無料)してみる。CloudTrail設定を確認(マルチリージョンで有効化する設定など)。自分の操作ログをCloudTrailで確認し、S3にログ出力されているか見てみる。S3 Server Accessログもオンにしてみるとか余裕あれば。
- 56〜60日目の例: 運用サービス実践。CloudWatchでEC2のメトリクスをグラフ表示、カスタムメトリクス(ShellからPutMetricDataを使う等)が難しければメトリクスにアラーム設定だけでも試す。Trusted Advisorコンソールを開き、無料のチェック結果を確認。「ルートにMFAつけてない」と怒られていれば対処してグリーンにするなど。CloudFormationのサンプルテンプレートを使い、スタック作成と削除を試す(例えばVPC作成テンプレートなど)。
このフェーズのゴール: AWS環境を安全に運用するための考え方とサービス名をマスターすること。例えば、「AWSでは誰がセキュリティ対策を担うか?」→共有責任モデルの内容を答えられる、「とあるAWSサービスに不審な動きが…ログで調査したい→CloudTrailを確認する」「コスト削減アドバイスはTrusted Advisorで見れる」など、状況に応じて適切なサービスを思い浮かべられることが目標です。
60日が経過し、学習内容としてはかなり包括的にAWS全般に触れました。残り40日間は、知識の整理・弱点補強・試験直前対策に充てます。
61〜80日目: アーキテクチャ設計の基本とその他知識の整理
学習テーマ: AWSアーキテクチャのベストプラクティスや、これまで扱っていないサービスを拾い学習し、全体の理解を補完する。
- Well-Architectedフレームワーク: AWSが提唱する良いクラウド設計の指針です。先にも少し触れましたが5つの柱があります。おさらい:
- 運用上の優秀性 (Operational Excellence): システム運用をコート化・自動化し、監視やインフラCI/CDなどで継続的に改善すること。
- セキュリティ: リスク管理、アクセス制御、インシデント対応計画、データ保護などセキュリティ全般。
- 信頼性 (Reliability): インフラの障害耐性、高可用性(AZ/リージョン冗長)、リソース制限管理(スケーラビリティ)など、システムが安定稼働し続ける設計。
- パフォーマンス効率: 必要に応じてリソースをスケーリングし、高性能を維持すること。適切なリソース選択やアーキテクチャパターン。
- コスト最適化: コスト意識を持った設計。不要リソースの削除、適切な購入オプション(Reservedなど)活用、弾力的リソースで無駄削減など。
- クラウドプラクティショナー試験では「Well-Architectedの柱の名前を選ぶ」などシンプルな出題があるかもしれません。具体例として「性能効率を高めるためにオートスケーリングを導入する」といった話が出る可能性があります。ざっくりと柱の内容を理解しましょう。
- 高可用性と冗長化: AWSを使う最大の利点の一つが、高可用性システムを構築しやすいことです。以下のポイントを整理:
- マルチAZ配置: RDSやElastiCacheなどはマルチAZオプションで片方障害時にフェイルオーバーできます。EC2も自分でマルチAZに2台置いてALBで冗長化など可能。
- リージョン間バックアップ/レプリケーション: S3クロスリージョンレプリカやRoute 53のDNSフェイルオーバー(プライマリリージョン死んだらセカンダリリージョンのシステムに切替)など、DR戦略について。
- スケーラビリティ: Auto Scalingで負荷に応じてインスタンス増減 -> トラフィック増でもサービス継続できる。LambdaやDynamoDBは自動スケーリングする。
- 耐障害設計: 単一障害点(SPOF)をなくす。1台DBではなくRDSマルチAZ、1つのAZ依存は避ける、ロードバランサーで分散、など。
- 試験では「可用性を向上させるにはどうするか?」のような知識を問う問題があり得ます。AZ分散とロードバランシングはキーワードです。
- コスト最適化の実践: ここまで学んだ個別のコスト知識をまとめます。
- リザーブドインスタンス/セービングプラン: 1年/3年コミットで最大料金割引70%前後。常時稼働するサーバーには有効。
- スポットインスタンス: 料金が安いが中断され得る(2分前通知)。バッチ処理や柔軟な分散処理に適用。
- サーバーレス活用: Lambda等は需要ゼロなら課金ゼロなので、負荷が不規則なアプリだと無駄がない。
- マネージドサービス活用: 自前で頑張るよりRDSやLambdaに任せる方が運用コスト下がるケースもある(試験では触れないかもですが概念として)。
- 資源のライフサイクル管理: 使っていないEBSを消す、アイドルEC2止める、不要なElastic IP解放するなど、こまめな整理もコスト削減に重要。
- もし試験でコスト絡みのシナリオが出ても、上記の一般論を当てはめて解答できます。
- 追加サービスの学習:
- Amazon SQS (Simple Queue Service): メッセージキューサービス。分散システム間で非同期にメッセージを受け渡す。Decouple(疎結合)アーキテクチャに使われます。クラウドプラクティショナーでもSQS/SNSは出る可能性大なので、違いも含め理解を。
- Amazon SNS (Simple Notification Service): Pub/Sub型の通知サービス。一対多でメッセージ配信(メールやSMS、他サービスへのトリガー)。例えばアプリケーションからSNSトピックにメッセージを発行すると、購読しているメールリスト全員に通知メールが飛ぶ、など。
- Amazon EventBridge: 最近注目のサーバーレスイベントバス。AWSサービスやSaaSからのイベントをルールに沿って他サービスやLambda等に転送できます。CloudWatch Eventsの進化版。試験範囲にも含まれたので、「サービス間のイベント連携基盤」として名前を知っておきましょう。
- AWS Step Functions: サーバーレスワークフローオーケストレーション。Lambda関数などを順序制御してビジネスフローを構築できます。名前程度。
- Amazon Athena: S3上のデータにSQLクエリを実行するサービス。サーバーレスでETL不要なデータ分析に使われます。Cloud Practitionerでは「S3データに対するクエリはAthena」と連想できればOK。
- AWS Glue: データカタログやETLサービス。Athenaと連携しS3データのメタデータ管理に使用。
- Amazon Kinesis: リアルタイムデータストリーミング処理サービス。大量のストリームデータ(ログやクリックストリームなど)を取り込んで処理できます。名前のみ。
- Amazon SageMaker: 機械学習モデルを開発・学習・デプロイするためのプラットフォーム。機械学習に触れる場合は重要ですが、クラウドプラクティショナーでは「ああ機械学習用もAWSにはある」程度で十分。
- AWS Organizations: 複数のAWSアカウントを一元管理するサービス。組織(Org)を作って、その下に複数アカウントを配置できます。統合請求(Consolidated Billing)で支払いまとめや、ポリシー適用でサービス利用制限(SCP)を組織単位で行えます。大企業やマルチアカウント戦略で重要。試験では統合請求によるボリュームディスカウントなどが問われたりすることがありますので、Organizationsは理解しましょう。
- AWSサービスカタログ (Service Catalog): 組織内で承認済みのサービステンプレートを提供する仕組み。エンタープライズ向け。名前だけ。
- これら追加サービスは全て覚える必要はありませんが、選択肢で初見の名前が出ないよう多少目を通しておくと安心です。
- アーキテクチャ図を書いてみる: この時期に、自分なりに架空システムの構成図を書いてみることをおすすめします。例えば「ブログサイトをAWSで構築する」として、Route 53で独自ドメイン→CloudFront→S3静的サイト or EC2ウェブサーバー→RDS MySQL、といった具合に、これまで学んだサービスを組み合わせて図示します。図を書くと、各サービスがシステム内で何をしているのか明確になります。AWSのアイコンは公式に提供されているので、それを使ってプレゼン資料風に書いてみても面白いです。
- 61〜70日目の例: Well-Architectedの理解。5つの柱を各1日ずつかけて噛み砕く(文章を読んでまとめる)。並行してSNS/SQSの簡単なデモを試す(SNSトピック作って自分のメールをサブスクライブ→Publishしてメール受信確認、SQSキュー作ってSend/Receiveしてみる)。
- 71〜75日目の例: Organizationsハンズオン(サブアカウント作成は実際はコスト注意だが、もし社用等で検証環境あれば試す)。Athenaを動かす(Athenaコンソールでサンプルクエリを試す or ドキュメント読む)。EventBridgeのルールを作ってみる(例えばスケジュールでLambdaトリガーなど)。
- 76〜80日目の例: アーキテクチャ図を作成。自分の学んだAWSサービス全てを一度棚卸しする気持ちで、ポストイットやノートに「EC2=サーバー」「S3=ストレージ」など書き出し、それらを組み合わせてシステム例を考える。こうすることで、どのサービスがどの用途にマッチするか頭が整理されます。
また、この辺りで模擬試験を一度受けてみるのも良いでしょう(まだ少し早いですが80日目まで頑張った自分へのチャレンジとして)。結果を踏まえ、弱点領域を残り期間で重点学習します。
このフェーズのゴール: アウトプット重視です。頭に入れた知識を俯瞰し、自分の言葉で説明したり、図解することで理解度をチェックします。また、余力でカバーしていないトピックを補完し、「試験範囲に漏れ無し!」の状態を目指します。特に試験ガイド(Exam Guide)のタスク項目に目を通し、未習のものがないか確認すると良いでしょう。
81〜90日目: 復習・模擬試験で仕上げ & 試験準備
学習テーマ: ここからは総仕上げ期間です。知識の最終チェックと、試験に向けた実践的な準備を進めます。
- 分野別復習: 4つのドメイン(クラウド概念、セキュリティ、技術、請求)ごとに再度ポイントをまとめます。それぞれ重要事項をリストアップ:
- クラウド概念: クラウドのメリット6つ(可用性/信頼性/弾力性/拡張性/俊敏性/コスト最適化などAWS公式にあります)、従量課金モデル、CAPEX vs OPEXの違いなど。
- セキュリティ: 共有責任モデル具体例、IAMの使い方、セキュリティサービスの働き、暗号化オプション、セキュリティポリシーのベストプラクティス(rootは使わない等)。
- 技術(サービス): 主なサービス一覧と一言でいいので説明できるかチェック。特にEC2, S3, RDS, DynamoDB, VPC, CloudFront, ELB, Auto Scaling, Lambda, CloudWatch, CloudTrail, etc。
- 請求/サポート: 無料利用枠の期間と制限、サポートプランの違い(よく出ます!)、Consolidated Billingの利点(複数アカウントでも料金一括払いでコスト最適化)、AWS Marketplaceとは何か、AWS Trust Center/Artifactなど。
- これらを自問自答形式でやってみるのが効果的です。例えば「Q. ベーシックサポートで利用できるTrusted Advisorチェックは何項目?」→「A. セキュリティ関連の一部チェックのみ無料」(こういう細かい所も公式には載ってるので確認)。
- 模擬試験で実戦慣れ: 既に模擬試験を一度は受けているかもしれませんが、ここで改めてフル模試を実施します。できれば2〜3回分、異なる問題ソースで解きましょう。
- 模擬試験は時間内に65問解く練習でもあります。ペース配分をつかみ、悩みすぎる問題は一旦飛ばし後で戻るといったテクニックも身につけます。
- 模試後は解説を熟読。間違えた問題はノートにメモし、関連知識を調べて補強します。例えば模試で「AWS CloudTrailで記録されないのはどれ?」という問題を間違えたら、CloudTrailの仕様を調べ直す、など。
- 連日模試漬けだと疲れるので、間に休息日を挟みつつ1日おきくらいにやると良いでしょう。
- 弱点克服: 模試や復習で判明した曖昧な領域は集中的に学び直します。例えば、「VPC周りが弱い」となれば、ネットワーク構成をもう一度整理したり、関連動画を見たりします。人的リソースがあれば、詳しい知人に質問するのも有効です(コミュニティで質問するのも手)。
- 試験テクニック習得: AWS試験特有の設問のクセにも慣れておきます。設問文の中で「MOST cost-effective」とあれば「最もコストに優れた」を選ぶなど、問われている視点を見極める練習です。一つのシナリオで選択肢に正解らしきものが複数ある場合、どの観点が優先かを問う問題が多いです。模試解説でその辺り触れている場合もあります。
また、「選択肢を2つ選べ」問題もあるので、何を基準に2つ選ぶか迷ったら消去法も使いましょう。絶対誤りなものから切っていくと残しやすいです。 - 試験予約と心構え: Day90くらいまでには試験日程を予約しましょう。100日目付近で受けるのも良いですが、都合によっては前後しても構いません。余裕を持って予約サイトを見ると空き日程が少ない場合もあるので要注意です。オンライント試験の際は、自宅のネット環境やPC機材を確認しておきます(カメラ・マイク必須、スマホは監督中机に置かない等ルールあり)。
心構えとしては、「リラックスしつつも集中力を保つ」ことです。試験前夜は詰め込み過ぎず、軽く復習したら早めに就寝しましょう。当日もし緊張する場合は、深呼吸して落ち着いてから受験開始ボタンを押すと良いです。 - 81〜85日目の例: ドメイン1〜4の復習。それぞれ1日くらい使ってノートにまとめ、口に出して説明する練習。余ったら模試1回実施。
- 86〜88日目の例: 模擬試験2回目3回目実施(間に1日休み入れて)。結果に一喜一憂せず、間違え箇所の理解を優先。合格ライン超えていれば自信になるし、届かなくても本番までに間違いノートを読み返せば大丈夫。
- 89日目: 軽い総まとめ。AWS公式の模擬試験を解いてみるのも手。スコアよりも問題の言い回しを確認。
- 90日目: 試験前日想定でお休み。覚えにくい数字(例: ビジネスサポートの月額最低料金)や細かなところだけさらっとチェック。あとはリラックスして好きな事を少しする。持ち物(ID等)準備や試験時の段取り確認などして早めに寝る。
このフェーズのゴール: 「準備万端、あとは受けるだけ!」という状態に持っていくことです。100日間の努力の集大成ですから、自信を持って本番に臨めるよう、最後の詰めを行いましょう。
91〜100日目: 試験当日と今後に向けて
学習テーマ: いよいよ試験本番と、その後の展望。
- 試験当日 (Day 100): 緊張するかもしれませんが、大丈夫、100日間頑張った自分を信じましょう。当日はもし会場受験なら余裕を持って出発。家からオンラインなら静かな環境を整備し、試験前にトイレを済ませ、水も一口飲んでおきましょう(試験中は飲食禁止の場合もあるので確認)。
- 試験中は、わからない問題があっても深追いしすぎないこと。全65問に目を通すのを優先し、時間が余ればマークした見直し問題に戻ります。Cloud Practitionerは時間的には割と余裕がある人が多いです。
- 意外な問題が出ても慌てない。「こんなの学習してない!」と思うものが1,2問あっても、配点は全体の1.5%程度です。気持ちを切り替え次に進み、最後に考えましょう。
- すべて回答を埋め終えたら、時間が許す限り見直し。終了ボタンを押す際、ちょっとドキドキしますが、結果はすぐ画面表示されます。
- 合否判定: 合格の場合は「Congratulations!」的なメッセージが表示されます。不合格でも点数レポートが表示され、どの分野が弱かったか棒グラフで示されます。仮に不合格でも落ち込まないでください。あと少し復習して再挑戦すればきっと受かります。14日経てば再受験可能なので、すぐ予定を入れてしまうと良いでしょう。
しかし、この記事のプラン通り勉強したなら高確率で合格しているはずです!認定証明書(PDF)やデジタルバッジはAWS認定ポータルから取得できますので、ぜひダウンロードして眺めてください。達成感がありますよ。 - 今後の展望: クラウドプラクティショナーに合格したということは、もうクラウドの初心者卒業です。おめでとうございます!今後は、更にステップアップしてAWSソリューションアーキテクトアソシエイトなど上位資格に挑戦するも良し、自社や個人のプロジェクトでAWSを活用するも良しです。
- AWSには12以上の認定資格があります(アソシエイト3種、プロフェッショナル2種、専門知識系5種など)。興味のある分野があれば、ぜひ次の目標にしてみてください。例えば開発者ならデベロッパーアソシエイト、運用ならSysOpsアソシエイトなどもあります。
- 資格だけでなく、実際に作ってみることもおすすめです。小さなWebサービスやポートフォリオサイトをAWSで構築してみましょう。資格勉強で得た知識が実践でさらに磨かれます。無料枠でWordPressブログをLightsailやEC2で立ててみるなど、できることはたくさんあります。
- コミュニティ参加も引き続き有効です。JAWS-UGの勉強会に出たり、Twitterでクラウドに関する情報発信を続けることで、知識のアップデートもできます。AWS公式ブログやBlack Beltオンラインセミナー(日本語解説ウェビナー)も定期的にチェックすると、新サービスのキャッチアップができます。
- 日本の読者への付記: 100日間チャレンジは海外発祥ですが、日本でもご自身のブログやnoteで日々の学習記録を書く方が増えています。モチベーション維持におすすめなので、ぜひ実践してみてください。「今日はIAMユーザー作成に挑戦。グループにポリシーを付ける概念が面白いと感じた」など気づきを書くだけでもOKです。同じ挑戦をする仲間との交流が生まれるかもしれません。
最後に、この100日間の取り組みを通じて、クラウドへの理解が飛躍的に深まったことと思います。初日は不安だったAWSも、今では「こうすれば色々作れる!」という自信とアイデアが湧いているのではないでしょうか。これからも学びは続きますが、一旦ここまでの努力を誇りに思ってください。
AWSクラウドの世界へ踏み出した皆さんの今後の活躍を応援しています。一緒にクラウドを楽しみましょう! そして、100日チャレンジ達成&試験合格、本当にお疲れ様でした。
では、あなたのクラウド旅がこれからも充実したものになりますように。頑張ってください!